(1)まばたきが増える
これは緊張のサインです。私たちは緊張するとまばたきが増えます。ウソをついていても緊張しますが、ついていなくても緊張すればまばたきは増えますので、まばたきの増加というサインでウソを見抜くことはできないのです。しかし「緊張している=ウソをついている」という図式が浸透しているため、こうした誤解が流布してしまっています。
面接という場面では確かに緊張しますが、模擬面接を含め何度も面接を受けるようにし、面接という場に慣れ、極度に緊張しないようにする、あるいは緊張して自分のまばたきが増えていることを感じたら、「すみません。緊張してしまいまして。少し落ち着く時間をください」など言葉を添え、緊張=ウソだという面接官の図式を完成させない努力が大切です。
また、過度にまばたきをしない身体コントロールを練習すれば誤解を回避できます。自分が普段1分間にどのくらいまばたきをするかカウントし、そのベースからあまり外れない程度にまばたきの量をコントロールできるようにするのも一つの手です。
(2)目をそらす
これは熟考のサインです。集中して物事を考えるとき、目の前にある視覚情報が邪魔になるため、目を上もしくは下にそらします。上には天井があり、下には床があります。上と下は視覚情報が少ないため、集中しやすくなるのです。確かにウソをつくときも頭を使いますが、そもそも面接で想定外の質問をされたら熟考せずにいられません。したがって、目をそらすという動きは必ずしもウソを意味するわけではないのです。
しかし、この目をそらすという動きもウソのサインという誤解が広がっています。熟考する必要があるときは、目をそらすと同時に「少し考えさせてください」「難しい質問なので回答を整理する時間をください」というような言葉を添え、誤解を避けるようにしましょう。
ところで、目をそらすことがウソをついているという誤解を与えるならば、目をそらさないで相手を見つめようと考える方がいるかもしれません。しかし、これはオススメしません。なぜなら私たちは人にじーっと見つめられると落ち着かなくなるからです。相手を見過ぎても、見なさ過ぎても不信感を与えてしまうのです。