「南北首脳会談」の開催が近付いている

2月15日に「五輪前日に軍事パレードを行った北の事情」との見出しを付け、本文の最後に「北朝鮮から目が離せない」と書いたが、まさに看過できない状況が続いている。

米国がこれまでの強硬姿勢を軟化させ、韓国北朝鮮に接近する可能性が出てきた。すべて北朝鮮の思惑通りにことが運んでいるともいえる。

北朝鮮は平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開会式に向け、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の妹の金与正(ヨジョン)氏と金永南最高人民会議常任委員長ら高官を韓国に送り込んだ。

なかでも与正氏は文在寅(ムン・ジェイン)大統領との会談で金委員長の親書を手渡すとともに、南北首脳会談を開く用意があると文大統領に訪朝を招請した。文大統領も「実現したい」と応えた。

北朝鮮との融和路線を目指す文大統領が、いよいよ南北首脳会談の開催に向け、その一歩を踏み出したとの見方が強まっている。

米国もペンス副大統領が「北朝鮮が対話を望むのであれば、アメリカは対話する」と語った。早速、この発言を社説で取り上げたのが読売新聞だった。その読売社説(2月15日付)は「安易に対話を始めることは、北朝鮮に誤ったメッセージを送る」と批判している。

2月11日、ソウルで行われた北側芸術団の公演を文在寅大統領(前列左から4人目)と共に鑑賞する朝鮮高位級代表団の金永南最高人民会議常任委員長(同2人目)と金与正朝鮮労働党第1副部長(同3人目)。(写真=朝鮮通信/時事通信フォト)

「対話は時間稼ぎに使われる」と読売

読売社説はその冒頭から「北朝鮮に核・ミサイル開発放棄の意思がなければ、対話を行っても、戦力増強の時間稼ぎに使われるだけだ。トランプ米政権には、情勢の慎重な見極めが求められる」と主張する。

つまり読売社説にいわせれば、「北朝鮮は対話を利用して時間を稼ぐ」というわけだ。ひどい話だが、これこそ北朝鮮のしたたかさそのものだ。失敗したあの6カ国協議がそれだった。ならばこの北朝鮮の裏をかくにはどうすればいいのか。

読売社説はこう続ける。

「ペンス米副大統領が米紙に対し、北朝鮮への『最大限の圧力を継続する』と強調する一方、『対話を望むのであれば、米国は対話する』と語った。前提条件を明示せずに、北朝鮮との直接協議に前向きな姿勢を表明した」

「前提条件」を付けずに北朝鮮を対話のテーブルに着かせる。それならば「席に着いてやろう」と北朝鮮は応じてくるかもしれない。ただしそのとき北朝鮮は何かの条件を付けてくるだろう。そこが北朝鮮のしたたかさなのだ。たとえば北朝鮮はすでに米韓合同軍事演習の中止を韓国に求めている。

このことは米国も十分に承知しているはずだ。それゆえ今後の注目は、米国が北朝鮮の裏をついてどう動くかだ。