朝起きたときが最も口内環境が悪い

最後は「歯のメンテナンス」だ。これは歯医者でプラーク(歯垢)を取ってもらうなど、定期的なクリーニングを行うことを前提に、歯磨きの仕方を工夫するということだ。なかでも大事なのは「歯磨きをする時間帯」だという。

(上)歯ブラシだけではよく磨ききれないという人は、デンタルフロスや歯間ブラシなどの道具と組み合わせて使おう。 (下)ヘッドの大小、毛の硬軟、毛先の形状など様々な種類がある歯ブラシ。自分に合った究極の1本を見つけよう。

「朝食後と夜寝る前に歯磨きをする、という人が大半だと思いますが、朝の歯磨きは、寝起きすぐにしてください。バクテリアは、寝ている間に爆発的に増えます。朝起きたときが最も口内環境が悪いわけです。そして、寝起きの歯磨きは歯磨き粉を使わずに行ってほしい。歯磨き粉を使うと、適当に磨いても綺麗になった気分になりますが、歯磨き粉を使わなければ、どこまで綺麗に磨けたか、歯の状態がよりわかりやすいからです」

まずは、歯医者で歯のクリーニングをしてもらい、歯のベストコンディションを知ろう。そこに近づけることが歯磨きの目的だ。

「歯磨きは1つの技術です。人により歯の形や力、器用さが異なるため、上手に磨ける歯ブラシは百人百様。電動歯ブラシで上手に磨ける人もいれば、普通の歯ブラシが磨きやすいという人もいる。何本も試して自分にとって究極の1本を見つけましょう」

▼POINT!
・どこから始まる?
歯磨きの際の歯肉出血や口臭、口渇感など、歯や口に関わるトラブルが30代半ばから顕著になり、歯を失う人も増える。
・最悪の場合は?
口内環境が悪いと、歯肉炎が歯槽骨吸収(歯周炎)に進み、歯が抜け落ちる。誤嚥性肺炎も起こしやすい。
・予防・改善策は?
虫歯や歯周病を防ぐための食生活、唾液、歯のメンテナンスのセルフケアで、バクテリアが増えにくい体質に変えていこう。
吉岡秀樹
ブレス・デザイン デンタルオフィス院長
歯科医師、栄養解析士。北海道大学歯学部卒。口臭治療をベースにした予防歯科に取り組む。
 
(撮影=向井 渉 写真=iStock.com)
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