原発を止めるならそれに代わるものが必要だ

火山列島の日本に原発は適さないのだろうか。

原発のウラン燃料は数年間、交換する必要はなく、使用済み燃料を再処理して使うことも可能だ。石油や石炭、天然ガスといった化石エネルギーに比べ、供給が安定している。二酸化炭素も排出せず、地球の温暖化を確実に防げる。

エネルギー資源に乏しい日本にとってこれほど重宝するエネルギーはない。ウラン燃料は実に素晴らしいエネルギーなのである。

問題は原発事故が起きたときだ。原発は事故で放射能漏れを起こすと、その被害は計り知れない甚大なものになる。

人類はこれまで米国のスリーマイル島事故(1979年)、チェルノブイリ原発事故(1986年)、福島第1原発事故(2011年)と過去に3度の大事故を経験している。

今後も原発政策を続けていくなら悲惨な原発事故を未然に防ぐ術を見つけなければならない。過去の事故を検証し、安全対策に結び付けていくことが何よりも大切である。

これまで日本では原発に影響を与えるような火山噴火や地震はなかった。しかし「いま、日本列島は、火山噴火や地震の起きやすいサイクルに入った」という説がある。一部の識者も「火山列島には原発は適さない。これまで運が良かった」と指摘する。

そこでもうひとつの選択肢は原発政策そのものを止めてしまうことだ。ただ、それには原子力に代わる安定したエネルギー源が必要となる。

12月4日に掲載した「肝心なときに脱原発を書けない朝日と毎日」の記事の最後で沙鴎一歩が指摘したように、地球温暖化を回避し、安定した出力が得られ、かつ安全なエネルギー源の開発に力を注ぐ必要がある。

太陽光発電や風力発電、地熱といった再生可能エネルギーの研究開発と、それによって得られた電力を長時間、無駄なく安全に蓄えておくことができる蓄電池の開発が求められている。

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