賢い人は現金とキャッシュレスを使い分ける

しかし、クレジットカードやデビットカード、電子マネーなど新たな決済機能の普及によって、国内外を問わず、今やキャッシュレスでさまざまな買い物やサービスが受けられるようになった。

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たとえば公共交通機関を利用する際、多くの人は交通系ICカードを使用しているだろう。JR東日本の「Suica(スイカ)」や東京メトロの「PASMO(パスモ)」、JR西日本の「ICOCA(イコカ)」などだ。こうした交通系ICカードは、電子マネーとしてコンビニや自販機での買い物にも使える。ピッとかざすだけで決済が終了するため、財布を出し入れする必要がなく、とても気軽だ。

キャッシュレスであれば、多額の現金を持ち運ぶ必要はない。また混んでいるレジの前で小銭を数えるような手間もない。しかも、現金とは違って、ポイントなどが貯まることも多い。

▼キャッシュレス派は現金派より浪費家か?

一方で、キャッシュレスに慣れてしまうと、お金を使っている実感がなくなり、つい使い過ぎてしまうこともある。複数のカードを持ち歩くようになれば、管理もしづらくなる。盗難での被害は現金より深刻化するリスクもある。

このため、クレジットカードや電子マネーをよく利用するという人も、コンビニなどの少額支払いは現金、高額商品やネットショッピングではクレジットカードなどと「使い分け」をする場合も多いようだ。

要するに、冒頭の相談者の「主張」の根拠はこういう三段論法なのだろう。

1)現金の出し入れが少なければ、財布は長持ちする
2)「キャッシュレス派」は資産の管理がしづらく、浪費傾向にある
3)財布が長持ちする人は、「キャッシュレス派」だから浪費家だ

「キャッシュレス派」の人は「現金派」の人より浪費家なのだろうか。実は、相談者の認識とは反対のデータがある。