高リターンを求めるなら「ひふみ投信」
金融機関の儲けより投資家のメリットを優先させたのは評価できる。ただし運用成績は選定の項目に入っておらず、選定された投信=好実績が約束された投信、とはいえないことは念頭におきたい。
中長期で資産形成という目的を踏まえれば、株式に投資する投信が適しており、「全世界株式インデックス」(ステート・ストリート)など、世界中の株式に投資するインデックス投信を候補にしたい。世界経済の成長の恩恵を受けるタイプで、期待収益率は3~5%程度が見込まれる。
日本株に投資する場合、わかりやすさを優先させるならインデックス投信(多数あり)だが、高リターンを求めるなら、好実績を残している「ひふみ投信」(レオス・キャピタルワークス)が挙げられる。
資金を引き出すまで数年しかないケースや、安定性を重視する場合は、株式や債券などに分散投資するバランス型投信がいい。株式や債券、リートなどへの投資比率は個別の投信ごとに異なるので、ニーズに合うものを選びたい。
ところで、税制上のメリットがある積立投資には、「iDeCo」(個人型確定拠出年金)もある。iDeCoは利益が非課税になるだけでなく、拠出金(積立額)が全額所得から控除され、所得税が軽減される。これは大きなメリットであり、老後資金づくりのために積み立てるのなら、つみたてNISAより、こちらを優先させたい。元本確保を優先しながら収益を狙う元本確保型や、債券型投信など、商品のタイプが幅広いという利点もある。
とはいえiDeCoは積み立てられるのは60歳までで、引き出しできるのは60歳以降。教育費にも使いたい、60歳以降も働いて老後のために積み立てたいという人は、つみたてNISAが適当だろう。
(構成=高橋晴美)