老後資金を用意するなら、早ければ早いほうが有利です。なぜなら元本を利回りで増やし続ける「複利効果」を得られるから。毎月5万円、30年間積み立てると1800万円になります。ところがこれを年3%で運用できていれば、約2900万円と1.6倍に増えるのです。投資で資産を増やす方法について解説します――。

「じっくり投資」の目標は年2~5%

画面と毎日にらめっこして、大儲けのチャンスを狙う――投資にそんなイメージを持っていませんか?

でも、そんな投資はただのギャンブル。老後資金をつくるのは、そんな方法ではありません。お勧めするのは、もっと長い目で見た運用です。あまり手間をかけず時間をかけて資金を育てる。そんな“じっくり投資”が働く女性にピッタリです。

それでも、やっぱり投資は怖い、と思うかもしれません。

値動きのある商品に投資すれば、値段が下がることもありますが、平均すれば、預貯金より高い利回りが期待できます。安全な商品だと確実に低い利息しか得られませんが、値段が上下するリスクを覚悟すれば、より高い利回りを得る可能性がある、ということ。ただし、高い利回りを得ようとするほど、高いリスクをとらなければならなくなります。

じっくり投資で目標とする利回りは、年2~5%といったところ。預貯金と投資を組み合わせることで、貯蓄パワーを大きくアップさせることが期待できます。

年3%でも30年後には1.6倍に増える

たとえば今、老後資金に回せるお金が500万円ある場合。そのうち200万円を投資して、もし年3%の利回りが得られれば、30年後には約500万円になります。これは、毎年の利益をそのまま運用元本に加え、増えた元本にさらに利回りがついて増える、という“複利効果”があるからです。

老後資金のように使うのが20年、30年も先のお金なら、この複利効果が大きな威力を発揮します。また、もし途中で損が出ても、30~40代の人なら次のチャンスを狙えるし、働いて取り戻すことも可能です。

とはいえ、手持ち資金500万円の運用だけでは、老後資金にとても足りません。資金づくりの中心は毎月の積み立てです。もし毎月5万円を30年間積み立てれば元本は1800万円。投資で年3%得られれば、約2900万円になる計算です。