ゲームの要素を他のサービスに取り入れる

【三宅】やってみると楽しいですよね。私自身もあらためて新しい学び方だと実感しました。「英語の勉強、本当は嫌いだけども、VRという形だったら、やってみたい」という人もいると思います。このやり方で会話が進んでいくと「おー!」という驚きや感動もあります。

三宅義和・イーオン社長

【藤本】それこそゲーム開発のノウハウをもった会社に作り込んでもらったおかげですね。VRだと学習者の脳がよりリアルに感じ、対面の環境、つまり外国人のガイドに近づけます。対面では反復練習にも限界がありますが、VRであれば何度でも繰り返せるのもメリットです。

【三宅】そもそもゲーミフィケーションとは、どのような概念なのですか?

【藤本】簡単に言いますと、ゲームの要素だとか、ゲームの手法を、ゲーム以外のサービスやアプリの開発に応用するという考え方です。そのゲームの要素というのが、例えば、パズルゲームとか、クイズゲームとか、ゲームそのものをサービスに持ち込むという形もあります。「時間制限内でクリアしましょう」とか、「3回までのトライアルで成功させましょう」といった、ゲームのルールを設定して行う場合もあります。

また、ゲームの中でよく使われるポイントや経験値などを数値化・可視化することでレベルアップを図っていくというように、人を夢中にさせるような要素を盛り込むことです。そういったゲームの中で使われている要素を利用して、よりよいサービスをつくろうということです。

【三宅】学習や教育とゲームの融合ということですね。

【藤本】クイズも一種のゲームです。授業の中で「この質問の解答を次の3つから選んでください」という三択テストは、クイズそのものです。そこに、競争の要素や、くじ引きなど運の要素を入れると、さらにゲーム性は増します。あるいはロールプレイングゲームのように生徒各自が役割を演じるということもあります。

【三宅】単に学習というのではなく、ゲームとして参加すると本気になりますし、非常に楽しめますからモチベーションが上がりますよね。得点や時間制限があると、一気にやる気が高まると思います。英語学習でもモチベーションの維持は非常に重要です。そのためにゲーム感覚を入れるというのは、すばらしいことですね。