「勉強しなさい」と言う代わりに親がした唯一の習慣とは?
「え、ウソ、そんな簡単なことだったのか!」
「たったそれだけ? それで子供が賢くなるの?」
まさに目からウロコだった。現在発売中の『プレジデントFamily2017秋号』では「東大生179人の小学生時代 『普通の子』が成績急上昇の秘密」と題した特集のトップで東京大学に通う学生にアンケートをしている。編集・取材した自分たちが言うのは誠におこがましいのだが、今回だけは言わせてほしい。この中身がめっぽう面白く、驚きに満ちたものなのだ。
東大生本人がどんな小学生時代を過ごしたかも興味深いのだが、それ以上に引き付けられるのは、「彼らの親がどんな人物か」がわかる部分だ。
今回のアンケートでは、東大生の親には共通した「1つの習慣」があることが明らかになった。それを親が実践すれば、たちまち「子供が自ら勉強する」という、日本中の子供を持つ大人が習得したいに違いない魔法の習慣だ。
さて、どんな習慣か。
親が子にわかりやすく勉強を教えてやることではない。褒めてやることでもない。教育費をかけて良い学校や塾に通わせることでもない。まったくお金もかからない。「え、本当に?」と、思わず疑いたくなるほど誰にでもカンタンにできることだった。
▼脳科学者太鼓判「○○すると子供の学力は上がる」
多くの親は子供に手を焼く。特に、勉強だ。遊んでばかりで勉強しない。本当は言いたくないが、つい口に出てしまうのが「勉強したの? 勉強しなさい!」。子を持つ親として自戒を込めて言わせていただくが、気の毒である。気持ちがわかりすぎて、つらい。しかし、これまで東京大学に合格した学生の親たちに取材すると、彼らはまるで打ち合わせでもしかたのように異口同音にこう語ったのだ。
「子供に『勉強しなさい』と言ったことはありませんね」
「言わなくても、(ウチの子は)勉強していました」
「読書に没頭して、食事の時間にもやめないので困りました」
彼らは自慢しているわけではない。それが「わが家では普通だった」とありのままを述べているにすぎない。「なぜ自ら勉強する子が育つのか?」これは編集部の長年の疑問だった。
その疑問が今回の特集で解明された。
東北大学加齢医学研究所所長の川島隆太教授に東大生アンケートの監修を依頼し、その結果を見てもらうと、すぐさまこう太鼓判を押したのだ。
「東大生アンケートの結果には、学力の源泉となる親の行動がはっきりと示されています。学力の高い子に育てるために、何をすればいいか明らかです」
東大生の親が子供にしていた習慣は、たった1つだった。それが学力向上の源泉になった。そう川島教授は断言するのだ。