すでに墓地経営は儲からない商売に

お墓参りにいったときを思い出してほしい。もし民営霊園で、園内の荒れが目立っていたら要注意だ。

墓地は自治体が管理するもの以外に、宗教法人などの公益法人が経営するものがある。公益法人は財政基盤や実績等を審査されるため、従来は倒産のリスクは低いと考えられてきた。しかし、それは本当なのか。小松初男弁護士は次のように解説してくれた。

「公益法人は、新しい墓地を造成すると、各区画の永代使用権を販売する権利を石材店に売ります。石材店は消費者に永代使用権と自社の墓石をセットで販売して利益を得ます。ただ、区画を売り切った後、墓地は管理料しか収入がなくなる。うまみがあるのは最初だけです」

少子化の影響も無視できない。一人っ子同士が結婚すると一家族なのに先祖代々のお墓が2つあることになり、1つは墓じまいする人も多い。空いた区画の墓地使用権は再販売できるが、最近は無縁化することを恐れ、自分専用のお墓ではなく共同の永代供養墓を選ぶ人も増えている。墓地経営がおいしいと言われていたのは、いまや昔の話だ。