本物の英語の力をつけることが大事

三宅義和・イーオン社長

【三宅】だんだん語数が増えていくのは、自分の英語力のアップの証明ですから、生徒は手応えを感じるでしょうね。

【谷口】記録に取ることが大事かなと思っています。「昨日は20。きょうは30語だった。今度は50語までがんばろうかな」という感じですね。西先生が心理学的なアプローチから考案されたそうですが、生徒を前向きにさせる効果が絶大です。

【三宅】そうした現場での努力が続けられるなか、7月10日に文部科学省が、大学センター試験の後継試験である「大学入学共通テスト」の原案を発表しました。それによりますと2020年から24年までセンター試験と民間試験を併用するそうです。

大学入試については、多くの私立大学で4技能の測定を民間の英検、TOEFL、TEAPなどを使うことが普通に行われています。先生の高校でも、そうした大学への進学を希望される生徒さんもいるでしょうが、外部試験を活用する英語判定が拡大しているということに関して、先生はどのように考えておられますか。

【谷口】これらのテストは世界共通の尺度を使っていますよね。客観的な尺度が保たれるなら問題はないと思います。だから、実技試験というのはあったほうがいいと思うし、それに対応して高校の定期考査にもそれを取り入れることがあるかもしれません。

私自身、受験英語とかビジネス英語、あるいは時事英語といった区別はまったくしていません。とにかく,英語は英語。本物の英語の力をつけるのが大事です。どんな試験が来ても、どんなシステムが来ても、それに対応していくということです。

【三宅】4技能の勉強や習得は、大学受験が終わっても、将来に役立つということがありますね。

【谷口】その通りです。もちろん今回、大学入試の形態がそうなったというのであれば、それに合った対策を練っていくことになるでしょう。でも、おそらく生徒たちは若く、吸収力がありますからフレキシブルに対応していくと思います。

もう20年前ですけど、三宅社長から「イーオンは宿題を出す英会話学校なのですよ」と言われて、「えー、すごいな!」と感心したことを記憶しています。そのひと言が強烈に印象に残っていて、宿題を出す英会話学校に生徒さんが集まるのかなと(笑)。

しかし、ある中学校の先生は「10回、読んだら、星を1つ書きなさい」と言って、「How many stars do you have?」と授業のなかで、何回読んできたかチェックするやり取りをしているそうです。そういう宿題の出し方は意味があります。なぜなら、英語は実技教科ですからね。何度でもチャレンジすることは重要と言っていいでしょう。