繰り下がりが多い計算でも、パッと計算できる

(2)も根本的には同じ考え方で、両替した先ほどの1000円分の硬貨から、1円玉を1枚外して「999-759」の形にして、繰り下がりのないようにする。そして、出てきた答えに外しておいた1を足せばよい。一言でいうと「1000から引く」ことは、「999から引いて1を足す」ことと同じである。「1000-759」=「999-759+1」=「240+1」で、やはり答えは「241」となる。

こうすることで、繰り下がりが多い計算でも、パッと計算しやすくなる。(1)と(2)は、どちらでもやりやすいほうを使えばよい。

では、次の例題を解いてみてほしい。「10000-1805=?」。(1)を使うと、「9-1=8」「9-8=1」「9-0=9」「10-5=5」で、答えは「8195」となる。(2)の場合は、「9999-1805+1=8194+1=8195」となる。

では、「6000-5237=?」はどうか。少しやっかいな感じがするかもしれないが、考え方は同じである。

6000円を1000円札5枚、100円玉9枚、10円玉9枚、1円玉10枚に両替したとすればいいのだ。(1)を使うと、「5-5=0」「9-2=7」「9-3=6」「10-7=3」で、答えは「763」となる。(2)も答えは同じで、「5999-5237+1=762+1=763」だ。

このおつり暗算術を知っておくと、小学生のお子さんに教えるときに役立つのはもちろん、ビジネスの場や、スーパーやコンビニで買い物をしたときなどのおつりの計算も瞬時に暗算できるので便利である。

(構成=田之上 信)
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