――しかし、リングに立ち続けるためにはトレーニングを欠かすわけにはいきません。前編でうかがった2団体の経営に関わる忙しい日々の中で、いつもどのように時間を確保されているんですか?

【高木】僕は朝、仕事前にトレーニングをする派です。家を出てジムに行って、1時間みっちりやります。早い時間にアポがあるときは、トレーニングをする時間も早めます。WRESTLE-1のCEOも兼任していた頃はさすがに忙しくて、週1回に減りましたが、最近はペースを取り戻して、週に3、4回は行くようにしています。

――どういった内容のトレーニングを?

【高木】100kgくらいの高重量のウェイトを挙げ、クリーンという全身を使ったエクササイズをします。忙しい日々でもトレーニングを続けるために大事なことは、時間を絞って集中することです。ダラダラやるのではなく、朝から本気でトレーニングする。軽くこなすのではなく、しっかり高重量を挙げる。

――夜ではなく朝やる理由は?

【高木】僕は朝のトレーニングのほうが続けられると思います。夜は会食も多くて、意外と時間がとれない。それだったら朝起きて、しっかりトレーニングすれば、仕事に向かうテンションも上がってきます。自分のコンディションチェックにもなりますしね。

やっぱり、調子が悪いときはスッとウェイトが挙がらないんですよ。そこで踏ん張ってギリギリの重量を挙げることができたら、「今日もうまくいきそうだ」というゲン担ぎにもなります。1日の始まりにトレーニングをするのは、僕はおすすめですね。

――現在、DDT内には7つのブランド(DDT本体とは別事業として運営される団体・興行)があり、3つの飲食店も経営されています。しかし朝はトレーニング、昼は会社の業務、夜は会食と、一体いつ企画を考えたり、世の中をリサーチしたりしているんですか?

【高木】企画は仕事をこなしている内に思いつくことが多いですね。あとは、いつも朝と夕方に必ずヤフーのトップページを開いて、「トピックス」をチェックするんですよ。そこで何が世の中で話題になっているか把握します。

――特別な情報収集術があるわけではない?

【高木】むしろ、普通のサラリーマンの方が触れているものに触れることが大事だと思っています。僕らは客商売なので、世の中の動きを先取りしすぎてもダメで、一歩先だと受け入れられない。半歩先くらいの先取り感がちょうどいいんです。