福沢諭吉、樋口一葉、野口英世――。貧しい境遇から身を起こし、後世に名を遺した3人のマネー人生は、どのようなものだったのか。
3人とも生まれはかなり貧しかった
1万円札の福沢諭吉、5000円札の樋口一葉、1000円札の野口英世。この3人全員に共通するのは、裕福な家庭の出身ではない、ということだ。お札の顔にするなら、巨万の富を築いた金満家のほうがふさわしい気もするのだが、彼らはなぜ、「お札のカオ」に選ばれたのだろうか。
福沢諭吉は1834(天保5)年、豊前国・中津藩(現在の大分県)の下級武士の家に生まれた。大坂・船場にあった緒方洪庵の適塾でオランダ語を学んだあと、咸臨丸という幕府の船に通訳として乗り込んで渡米。帰国後は幕府翻訳方となって西欧諸国を視察し、数々の西洋文明を日本に取り入れ、慶應義塾大学の前身である慶應義塾を創設した。
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