2017年度に「学級崩壊」が増加する可能性大

1.「学級崩壊大ブーム」到来?

平成29年度の全国の教員新規採用は一気に増えました。ある調査(『教員需要推計と教員養成の展望』山崎博敏著)によると、今年度の公立小学校の新規採用者数は約1万6000人。全国の学校数は減っているのに採用人数は増えていることを考えると、学校内の「新人割合」「若手割合」は高まることになります。

この傾向には、プラスとマイナスの両面があります。

プラス面は、学校の若返りです。元気な教員が増えて子どもたちもうれしいことでしょう。

一方、マイナス面は何か。一番懸念されるのは、学級経営がうまくいかない「荒れるクラス」が増えるリスクです。まだ経験が浅く、学級経営(クラス担任)の知識と技術が乏しい新人教師ゆえ、「荒れる」ことを回避できないケースが多いのです。

加えて、保護者との“関係悪化”の可能性もあります。世の晩婚化とともに小学校の保護者の平均年齢は上昇の傾向にあり、保護者と担任の年齢差は開く一方。10歳以上も年下の担任を「頼りない」と思う保護者も増えています。教員の側も何となくそれを感じていますが、実際にクラスが荒れてしまうと、ますます両者の溝は深くなります。

また、新規採用者に限らず、最近ではどの年齢層の教員が受け持つクラスでも「荒れ」が見られるようです。保護者対応が難しくなると同時に、子どもへの対応も難しくなり、かなりの専門性が必要になっているのが現状です。

1980年代に「荒れた学校ブーム」がありましたが、今回、新人先生が急増することをきっかけに再び「学級崩壊大ブーム」が到来するかもしれません。

では、荒れるクラスと荒れないクラスは、一体何が違うのでしょう?

もし我が子が「荒れるクラス」の一員になってしまったら、親としてどう対応すべきなのか? この新年度の早い段階から考え、備えていきましょう。

2.「荒れの原因は、子ども本人の規範意識の低さ」の嘘

まず、そもそも集団の「荒れ」がどこから来るのか考えていきます。我が子が「だらしない」「乱暴」で、それがクラスの荒れの原因になってしまうのではないかと心配する親御さんがいますが、実はそれは杞憂です。