片付けは仕事術にもなりうる理由
デザイナーで有名な佐藤可士和氏は「佐藤可士和の超整理術」という書籍を出版している。モノを片付けることは仕事にも影響する。書籍の内容は単純な片付け方法の解説では無いのだが、この本で最も強く読者にインパクトを与えているページは、冒頭で紹介されている数枚の写真だろう。
佐藤氏の事務所はイスとデスク、その上にマックがポツンと置いてあるだけ。収納スペースにはメタルラックに女性でも持てるくらいのやや小ぶりな段ボール(フェローズ製のバンカーズボックスという白い箱)がずらりと並んでいるだけ、という環境だ。
机は仕事をする場所であってモノを置く場所では無い、と佐藤氏は言い切る。収納スペースでメタルラックに白い段ボールを並べている理由は、片付けるモノに合わせて収納する棚やケースを変えるのではなく、収納する側を同じ段ボールで統一してしまって、そこに書類でもデザインのサンプルでも何でも入れてしまう方法にしているからだという。これは外から見ると、同じ段ボールが並んでいるだけなのでゴチャゴチャする余地が全くない。
中に何が入っているかは箱にペンで書き込み、破れたり汚れたりしたら交換してしまうという。これはプライベートでも利用できる片付け術ではないかと思う。
部屋が片付いている状態が日常となれば、無駄なものを買おうと思わなくなる。つまり少ないスペースでも快適に、そして余計な支出をせずに生活が出来るようになる。
自分が最初に買ったミニマリスト本でもいくつかの参考例が紹介されていたが、リビングならばテーブルとイス、そして必要であればテレビにソファーといった非常にシンプルな構成だ。それ以外に必要なものはあるか、と考えると確かにほとんど無い。
片付けに関するより詳細なテクニックは他の書籍等に譲りたいと思うが、モノを減らした生活スタイルが身につけば、タイトル通り住宅の予算を大幅に下げることは可能だ。そして住宅に限らず日々の買い物でも自然とストップがかかる。結果的に本当に必要なものだけを買う、という理想的なお金の使い方が出来るようになる。
マンションの管理費・修繕積立金は広さに比例し、部屋が広ければそれだけ光熱費も増える。小さい部屋で快適に暮らす術を身に着けると、様々な支出を減らすことが出来る。