なぜ、そうなるのか。転職の第一歩は「自分で自分を知る」こと。自分を知らなければ応募先も決まらず、履歴書類も効果的に書けません。ところが、それを気付かせてくれるアドバイザーがいないのです。
野球のキャッチボールに例えると、ピッチャー(転職者)が、キャッチャー(求人側)の構えたミットの位置(人材に求めていること)をしっかり見据えずに投げ込んでいることが多い。
「私はこういう人間です!」「これしかできません!」とばかりに投げたボールの行方は、ミットの位置とはかけ離れたコースばかり。35歳以下の若い転職者ならともかく、求人側はミットを動かしてまでそのボールを捕ろうとはしてくれません。
もっと具体的に説明しましょう。日本の場合、40代以上のビジネスパーソンはゼネラリスト志向が強い。入社以来、会社も社員をそう育てています。
大手企業の部長クラスとなると、営業や経理一筋という方ばかりでなく、様々な業務を経験している方が見受けられますが、本人もどれが自分のコアスキルかがわからぬまま転職する。何となく総合力を生かしてマネジメントができるのでは? と考えがちです。
【中高年の転職“5つのルート”】
◆オープンな求人(ネット、ハローワーク)――倍率高く、狭き門。ハローワークにも高給案件はまれにあるので丹念に。
◆◎潜在的な求人(人材紹介会社、知人の紹介)――中高年に有効。知人の紹介は転職先トップとのコネが前提。海老氏のオススメ。
◆派遣・アルバイト登録――当面の職を得るためのルート。パソナ「マスターズ人材サービス」、インテリジェンス「i-common」 etc.
◆起業・フランチャイズ加盟――資金が用意できるのであれば、思い切って。仲間と一緒のケースも。
◆“親分”を探す――1人起業者or 零細業者へ頼み込んで“子分”になる。