では、これらの変化に対して皆さんはどのように対応されているのでしょうか。実際の相談事例としては、下記のようなものがあります。

「保険嫌いの夫」を妻が説得

30代のAさん夫妻は、安定運用志向のため、資金の運用はもっぱら預貯金と生命保険。生命保険と言っても外貨建てのプランや投資信託を活用した変額プランには興味がなく、元本の安全性が高い円建ての生命保険が希望です。

保険嫌いの夫は、定年までコツコツ貯めるタイプの個人年金を希望しています。一方妻は、個人年金よりも将来時点の利回りが有利で、かつ死亡保障のある終身保険に一石二鳥の魅力を感じています。一般に女性は、預貯金より利回りがよく、死亡時には元本が増えて戻る生命保険を好む傾向があります。

夫も妻に押されて生命保険での運用に納得をしたものの、「途中解約する可能性もあるため、途中解約をすると解約金がカットされる、低解約返戻金タイプの終身保険は嫌だ」と主張。その結果、通常タイプの終身保険が落としどころとなりました。

数百万円の相続税を生命保険で大幅減額

70代のBさん夫妻は相続税の課税対象となるご家庭。昔からの友人たちが相続トラブルに巻き込まれる話を聞いており、人ごとではないと遺言作成の準備を始めました。税理士が相続税の試算をしたところ、数百万円の相続税が発生する見込みであること、そして相続税の計算における死亡保険金の非課税枠が活用されていないことがわかりました。

相続対策で活用する生命保険は、一時払い終身保険という商品が主流です。4月以降は販売が中止になったり、保険料が値上がりしたりする可能性があるため、急いで加入を決断されました。今後は介護も含めた資金ニーズもあるため、Bさんも途中解約をしても元本に損失が発生しにくいプランを最優先で希望されました。

駆け込み特需で商品消滅の可能性

今後、金利が上昇すると考えるのであれば、将来的には保険の予定利率もそれにあわせて上がる可能性があるため、保険に駆け込み加入する必要はありません。ただ、金利が今後どう動くかはわかりません。4月以降に保険の予定利率が今より下がるのはほぼ確実ですから、その前に、固定利率の保険に加入しておくというのは合理的な考え方です。

現在資金の預け先を検討中の方や、冬のボーナスの預け先を考えている方は、2月中に加入手続きを終わらせると安心です。3月に入ると、駆け込み特需で保険会社の受け入れ予算がなくなるなり、加入できなくなる可能性もないとは言えません。保険商品の詳細については、最寄りの保険会社の支店等に問い合わせると良いでしょう。

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