メットライフ生命では全国で222の営業チームが活動している。その中で3年連続新人生産性ナンバーワンに輝いたのが、橘和宏氏が率いる12人の“橘ユニット”だ。チームの活躍は社内にとどまらない。生保業界にはMDRTという世界的組織がある。会員となるには営業マン100人中3人ともいわれる難関資格だが、チーム橘はMDRT会員を毎年複数輩出している。まさにトップセールスマンたちのドリームチームといえよう。

メットライフ生命の最強営業部隊 橘 和宏氏●全国230の営業チーム中、3年連続生産性ナンバーワンに輝くドリームチームを率いるリーダー。

チームの成果に大きく貢献しているのが、メンバー全員が使う「フランクリン・プランナー」の手帳だ。橘氏はメンバーを自らスカウトして採用しているが、全員で同じフォーマットの手帳を使うことで、チームとしての生産性を高めている。

チーム共通の手帳が効果を発揮するのはミーティングの場面だ。橘氏はメンバー一人一人と週に1回面談して、直近1週間の動きを振り返るとともに、次週の予定についてアドバイスする。

そのとき同じ手帳を見ながら行うと話がスムーズに進む。

「手帳の使い方もチームで統一しています。たとえば契約が近いお客様とのアポは黄色、まだ見込みの段階ならオレンジ、それ以外の仕事は青で記入するのがルール。ページを開ければ、『今週は青ばかりで目標達成が厳しそう』というように進捗が一目でわかるので、効率的に話ができます」

メンバー同士のスケジュール調整も、同じ手帳を使えば話が早い。法人の顧客は2人で担当するが、お互いに手帳を見せ合えば、とくに説明しないでも簡単に調整ができるという。

使い方の統一ルールはほかにもある。それは、家族の予定を最優先で書き込むこと。家族との予定日にシールを貼り、約束を確実に守ってもらうためだ。

「生保の営業は土日にお客様とのアポが入ることが多く、ややもすると家族と過ごす時間が少なくなりがちです。生命保険はお客様のご家庭のことまで理解したうえで販売すべき商品なのに、営業マン本人が自分の家族のことをおざなりでは話になりません。家族との予定を大事にすることが、ゆくゆくは仕事の成果にもつながるのです」

共通の手帳を通じて、ワークライフバランスまですり合わせる。そこまでやったからこそチーム橘は最強チームへと変貌したのである。