30代のジタバタを思いっ切り楽しむ

30代になると、結婚をして家庭を持つ人も増えてきます。私は24歳で結婚しましたが、外資系銀行での激務と家庭の両立は本当に大変!

夕方東京市場が終わると、一旦帰宅して夕飯をつくり、そのあとロンドンやニューヨーク市場の時間にまた職場に戻るといった激務の毎日でした。当時はまだ、女性が結婚後も働くことは“ワガママ”だとされた時代で、主婦業もちゃんとやらないと“後ろめたい”という気持ちがありました。でも、仕事も家庭も両方100%は無理ですよね。仕事70%家庭70%でも、合計すると140%。そこは割り切って、家事の手抜きや工夫を編み出すなりして乗り切るしかありません。

やらなきゃいけないけど、時間が足りなくて無理なときもある。それでも「何が何でもやる」と思うか、「まぁいいか」と自分を甘やかすかは自分次第。優先順位を決めて、やるべきときはガムシャラになるしかありません。

なにも“ブラック”な働き方がいいとはいいません。でもワークライフバランスは最終的に一生のなかで取れればいいと私は思っています。人生は長いし、いずれ嫌でも動けなくなるから30代は一生懸命突っ走ればいいと。

「30代はガムシャラに働いたな」とあとで思い出せるのは誇らしいことですし、人生にそういう時期があるのはとても幸せなことだと思うのです。

30代の生き方次第で人生が決まるといってもいいくらい。この時期に逃げずに頑張った人と、小賢しくショートカットした人とでは、後で必ず差が出てきます。悩み、苦しみ、いろんな挫折も味わっておくと、将来間違いなく生きてきます。だから、30代は思いっ切り「ジタバタ」を楽しんで!

▼幸田真音さんに学ぶ30代の振る舞い方「3カ条」

1. 思いっ切りジタバタする
仕事で壁にぶつかっても逃げずにジタバタすれば、40代が楽になる
2. 堂々と遠慮なく自己アピール
ただし、基本的な謙虚さと、周囲へのリスペクトを忘れずに
3. 背伸びして1ランク上の人と付き合う
同じ雑誌や本を読むことで意識が高まり、自然と成長していく

幸田真音
作家。1951年生まれ。米国系銀行や証券会社で、債券ディーラーなどを経て、95年に『小説ヘッジファンド』で作家デビュー。2000年に発表した『日本国債』は日本の財政問題に警鐘を鳴らした作品としてベストセラーになり、海外メディアからも注目を集めた。最新刊に『 この日のために 池田勇人・東京五輪への軌跡』がある。
(吉川明子=構成 柳井一隆=撮影)
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