住むエリアで大違い! 首都圏遠距離通勤率マップ
以上は都道府県別のデータですが、同一の県内でも通勤時間には幅があります。同じ東京都内でも、私が住んでいる多摩市と都心部では、通勤時間の分布は大きく異なっています。
2013年の総務省『住宅土地統計調査』によると、主たる家計支持者が雇用労働者である普通世帯は、多摩市では2万5040世帯です。このうち、主たる家計支持者の片道の通勤時間が90分(1.5時間)を超える世帯は2690世帯。割合にすると、10.7%となります。
ひとまず片道90分を遠距離通勤のラインとすると、多摩市では、雇用者の10人に1人が遠距離通勤をしていることになります。言わずもがな、この値は都心部ではすこぶる低く、都内の中央区ではたった1.3%しかいません。
同じ値を首都圏(1都3県)の市区町村別に計算し、地図にしてみると、「やはり」という模様になります。図2は、首都圏の遠距離通勤率マップです。
小学校の社会科で習った「ドーナツ現象」を思わせます。遠距離通勤率は中心部で低く、それを円状に囲む郊外エリアで高いと。いやあ、統計は実に正直です。
濃い色は10%超の市区町村ですが、20%(5分の1)を超える地域もあります。マックスは神奈川県の葉山町で、片道90分以上の遠距離通勤率は28.0%と3割近くにもなります。三浦半島のつけ根あたりのエリアです。
ほか、遠距離通勤率が2割を超える地域は、千葉県酒々町(21.6%)、千葉県印西市(20.1%)、埼玉県鳩山町(20.0%)、となっています。