外資系企業からやってきたコンサルタント系上司や合併先の上司、政府の「女性の活躍推進策」で下駄を履かされた女性上司……。もう何がきても怖くない、部下の心得と対策を伝授しよう。

【なんちゃって女性管理職】無能でも我慢。「積極的傾聴」で味方を演じよ

女性管理職を数値的に増やす施策の一環として、実力不足にもかかわらず昇進したのではないかと思われる女性上司がいたら「下駄履き上司」などと色眼鏡で見たくなる気持ちもわからなくはない。ここではこれを「なんちゃって女性管理職」と呼ぶ。ただ、そのように揶揄する気持ちがあると、結局は自分が損をするだろう。

そもそも、女性社員と折り合いが悪い男性社員は必ずいる。これには、大きく分けて3つのタイプがある。第1は、性別をことさらに意識してしまう意識過剰タイプ。第2は、「女というのはそもそも」などと言って女性を煙たがるタイプ。第3は、一種の敵対意識を持った女性蔑視タイプ。

では、そんな人たちに問いたい。はたして女性と男性ではどちらが優秀なのかと。人事部門の専門家なら誰もが知っていることだが、採用試験の点数で見ると、官民を問わず女性のほうが比較的に優位だ。教えられたことを理解する能力も相対的に女性のほうが高い。つまり、もしかしたら、これまでは男女で同じ能力があったら、男のほうが下駄を履かされて管理職になっていた可能性だってある。また同じポジションなら、女性のほうが男性の120%くらいの努力をしてきたのかもしれない。そう考えれば、女性に対する畏敬の念も生まれてくるだろう。

そもそも「なんちゃって女性管理職」だってバカじゃない。自分が下駄を履かされたなんてことは先刻承知。周囲がどんな目で見ているかも気づいている。そうした重荷をとく度量が部下にあってもいいのではないか。

そのために有効となる、最も大きなポイントが一つある。それは、女性特有の長くなりがちで、必ずしも理路整然としていない話でも、うわの空にではなく、共感しながらしっかり聴くことだ。いわば積極的傾聴である。