【勝間】私はしつこく、知識層向けのいろんな本を紹介しているんですが、そうすると絶版だったものも、1万、2万重版がかかって息を吹き返すわけです。今は翻訳にも取り組んでいて、原書も含めた知識層向けの本を読んでわかりやすく書き、自分の本でも説明する。それで読者も階段を上がっていってくれればいいなあと。

【三浦】加工食品から原材料ものへ、階段を上がると。

【勝間】たとえば、ヒット商品を見つけたいんだったら、ヒット商品の分析本を読むよりは、人間心理の本を読んだり、人はどういうプロセスで物事を認知するかということを学んだほうが早いわけですよ。

【三浦】でも、そういう本を読んで自分なりに納得し、いろんな現象を説明するまでには時間がかかる。

【勝間】それだけに私も若い人たちに読書を勧めているんですが、非常に心配なのは、本を買えばそれでいいんじゃないかと思い込むことなんです。読まなくても買うだけで何か安心してしまうとか、そのまま“積ん読”になって勉強した気になると。あとは読み方が浅いことも気になりますね。

【三浦】勉強法の本は買ってるけど、勉強はしてないということですね。

【勝間】その通りです。時間管理の本は買うけれど、自分で時間管理はしてないんです。

【三浦】彼氏の見つけ方の本は買ってるけど、恋愛はしてないとか(笑)、婚活はしてるけど結婚はしてないとかね。なんでこう、「○○法」好きなのかね。

【勝間】勉強するより、楽だからですよ。

【三浦】勉強法を読んでたら、親も文句言わないもんなあ。

【勝間】だから、なんとか勉強法、かんとか勉強法という本がやたら続くわけですよ。

(※すべて雑誌掲載当時)

(構成=歌代幸子 脚注=編集部 撮影=佐藤 類)