「小池都知事VS自民都連」バトルのゆくえ

敵対してきた首相官邸や都連の幹部は表だって小池氏批判は避けているものの、小池氏に近い都議や区議には厳しい姿勢で臨んでいる。党の方針に従わず小池氏を都知事選で応援した若狭勝衆院議員には二階幹事長の厳重注意で済ませたものの、小池氏の地元の区議7人には離党勧告処分を決定。発信力がある若狭氏は党内に囲む一方、都連が知事選で見せた「締め付け」は決して緩めず、小池氏の周辺をじわりと剥いでいく作戦を展開している。

下村氏は是々非々で小池都政に向き合う姿勢を示しているが、ある都議の1人は「人気が高いままの小池知事と戦っても勝てるわけがない。死んだふりで様子をしばらく見るしかない」と語る。都議の中には地元の支援者から「小池氏をいじめるな」と突き上げをくらうケースもある。内田、高島両氏に近いと見られることはマイナスとの計算も働いており、奇妙な沈黙につながっているようだ。

小池氏は、高い世論の支持を背景に「都政の闇」を明らかにしていく優位な戦いを進めているが、都知事打倒へ主戦論を唱える幹部からは不気味な声も漏れる。

「豊洲に始まり、豊洲に終わる。五輪には触らせない」

豊洲新市場への移転延期で生じた費用や補償などを都議会で承認せず、小池氏を一気に立ち往生させるシナリオを描いているのだ。追い詰められる都議会自民党は一発逆転を果たすのか、小池氏が利権解体を進めるのか。ワクワク、ドキドキの都政が続いている。

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