夫婦仲と家計破綻度は反比例する
もちろん、どの家計管理法を選ぶかは、個々の家庭の状況によってケースバイケースだが、やはり自分で管理すると財布のヒモも緩みやすい。夫婦それぞれに収入があるのであれば、一括で管理した方が、ムリ・ムダがないかチェックもしやすく、節約やお金も溜まりやすいといえる。
しかし重要なのは、どのような家計管理方法を選ぶかではない。
自分たちが幸せになるためのライフプランや目標、目的、希望を、きちんと話し合える信頼関係が築けているかどうかという点である。
今の時代、効率的にお金を貯めるためには、目標(ゴール)の設定が欠かせない。なかには、使い道がないのでいつの間にか貯まっていた、という人もいるが、それは本当にレアケース。むしろ、無駄遣いしているつもりはないのに、お金が貯まらないという人の方が断然多いのだ。
たとえば、家族4人、ぜいたくもせず衣食住をまかなうだけでも、平均支出額で見れば年間330万円以上のお金がかかる。さらに、平均所得はこの20年で20%も減少しており、生涯年収も減少傾向にある。このような状況では、何のために貯蓄をするのか、どんな暮らしをしたいのか目的・目標を明確にしなければ、お金など貯められるはずもない。
逆に、年収は低くても、自分たちがどんな状態にあればハッピーなのか、価値観を共有しているご家庭は、幸福度や満足度が高い。
これまで1万件以上の赤字家計を再生してきた家計再生コンサルタントの横山光昭氏もこう述べている。
「年収300万円クラスの家計は、やりくりがとても上手です。(中略)必要最低限の支出で十分満足できるものを上手に組み合わせている。だからか、所得の多い人よりも『リッチな気分』で暮らしているように見えます。おまけに、どの(年収300万円の)家庭にも共通していえるのが、夫婦仲がいいこと。使えるお金が限られているから、夫婦間の話合いが多くなるのでしょう」(出所:「実物公開!5大支出を隈なくチェック 家計簿診断 ひと目でわかるお宅の弱点」PRESIDENT2016年9月12日号より)」