「すっきり書く」実例解説10

1. 伝えたい「肝の一文」から書く

×ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、先発医薬品と有効性・安全性【が同等であるものとして製造販売が承認され】、一般的に、研究や審査にかかる開発コストが安く抑えられることから、先発医薬品に比べて価格が安くなっている。
1文が長すぎる


【ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、先発医薬品に比べて価格が安い】。なぜなら、先発医薬品と有効性・安全性が同等として製造販売が承認されているため、研究や審査にかかる開発コストを抑えられるからだ。
伝えることは1つに

2. 主語と述語をきちんとつなぐ

×正社員になって約半年が過ぎた。同僚たちの【仕事ぶりは】、真剣かつ楽しそうに【取り組んでいる】。
「仕事ぶりは……取り組んでいる」?


正社員になって約半年が過ぎた。【同僚たちは】、真剣かつ楽しそうに仕事に【取り組んでいる】。
主語・述語のねじれを解消

3. 「が」で言葉をつながない

×レストランなど食事をする場では、喫煙席を完全になくすべきだという意見が【あるが】、私は全面的に賛成するわけでは【ないが】、店側はせめて完全分煙にする努力が必要だろう。
事実と意見が1文に混在


レストランなど食事をする場では、喫煙席を完全になくすべきだという意見が【ある】。私は全面的に賛成するわけではないが、【心情的には共感する】。店側はせめて完全分煙にする努力をするべきだろう。
内容に応じて文を分ける

4. 文章の「贅肉」を削る

×特に夕方以降は、少ない人数で子どもたちの面倒を見なければ【いけないため】、非常に忙しい。【しかしながら、そういった】事情はどの保育園に【おいてでも】同じ【であるため】、保育士たちはなかばあきらめている。
不要な語句が多い


特に夕方以降は、少ない人数で子どもたちの面倒を見なければならず、非常に忙しい。【しかし、事情はどの保育園でも同じだ】。保育士たちはなかばあきらめている。
簡潔に言い切る

5. 受け身の表現は避ける

×外国人留学生の受け入れで、日本人学生の異文化理解が【増進され】、学生・教員などの相互交流が【図られ】、大学の国際化に大きく貢献すると思われる。
受動態の多用はNG


外国人留学生の受け入れは、日本人学生の異文化理解を【増進し】、学生・教員などの相互交流を【活発にする】。ひいては、大学の国際化に【大きく貢献するだろう】。
受動態を能動態に