サークルKサンクスとの合併でどう変わるか

数年前からファミリーマートは大量出店を始めました。2012年2月期には国内店舗数は8834店でしたが、13年には9481店、14年には初の1万店を超え、16年6月で1万1794店舗となっています。さらに今年の9月には「サークルKサンクス」を傘下に収めるユニーグループ・ホールディングスとの経営統合も控えています。統合後は、東京・大阪・愛知の3大都市圏では、シェアが1位になる見込みです。それにともない物流効率もアップするなど、様々な面でコストダウンが図れ、今まで以上にドミナント戦略を進めることができます。

ファミリーマート社長 中山 勇氏●1957年、東京都生まれ。81年東京大学農学部卒業後、伊藤忠商事入社。油脂部長、常務執行役員などを経て、2013年より現職。16年9月より同社会長に就任予定。

そういった店舗拡大を図りながら、並行して中食(お弁当・お惣菜)改革も進行中です。13年に私がこの会社に来た頃は、正直なところ、トップチェーンの味とは明らかに差がありました。美味しいお弁当づくりには、種も仕掛けもあるんです。ご飯の盛り付け一つでも、機械が無理やり押し込んだような仕上がりより、手で立体的に盛り付けたようなビジュアルのほうが美味しそうに感じていただけるはずです。

鶏と卵、どちらが先かではありませんが、店舗数増加と中食構造改革の2つは両輪の輪で、どちらか一方だけ先行しても、抜本的な改革にはならなかったでしょう。

社員の間にも活気が生まれました。もともとファミリーマートの社員はまじめな人が多いのですが、「トップを狙える」位置になったことで覇気が出てきた。何をやるべきか明確になれば人は頑張れます。