「早起きして勉強を」ではなく、「朝と夜、どっち勉強しやすい?」と選ばせる
【「いつ」「どこで」だけは「選択」させる】
ダラダラ親だろうがエリート親だろうが、放っておくと我が子が勉強しないという悩みについては共通です。その共通の悩みを解消するためのポイントは、「一緒にがんばろう」という姿勢や接し方です。
具体的には、夏休み中に「勉強する習慣」をつけてやるのです。「いつでも気が向いた時にやればいい」というのは、自律のできる子供向けの言葉です。放っておけば、夏休み明けまで全くやらず、始業式前日に親子共々地獄を見ることになります。だから、賢い親は上手に「主体的になる動機付け」をしています。
子供が主体的になれるかどうかのポイントは、実は「選択」です。受動的とは、言われるがままで、選択の余地がなくやる状態です。賢い親は、子供が「自分で選択している」と自覚するような方向に持っていくのが上手いのです。
それを繰り返しているうちに、「自分からやる子供」になっていきます。言い換えれば、「勉強」を選択するような環境を整えていくわけです。
手順はそれぞれの家のやり方があるかと思いますが、基本はまず、自然な家族の会話の中に勉強の話に持ってくることです。例えば、「夏休みの宿題って、何があるの?」と聞いてみましょう。これぐらいは教えてくれるはずです。心理学でいうところの「フット・イン・ザ・ドア」の手法です。ここから積み重ねていくのです。
親の希望は、「夏休み中に宿題を進める時間を確保して欲しい」といったことでしょう。でも、その言葉をそのまま伝えてはいけません。選択肢を示すのです。それも、選択肢が10個もあったら逆に選べないので、2択でいいのです。
「朝と夜なら、どっちがやりやすい?」例えば、これでもいいです。
「朝早く起きてやりなさい」「夕飯の前にやりなさい」とは、雲泥の差があります。
ここを皮切りに「いつ」「どこで」「誰と」「どうやって」「何を」を決めていきます。極端な話「いつ」だけ確保して実行できれば、半分成功したも同然ですが、より実行率を高めるために「どこで」までは決めておきます。
「リビングと部屋、どっちが集中する?」これぐらいでも構いません。場合によっては他の場所を希望するかもしれませんが、それもありです。
「お母さんも一緒に見ようか? 必要ない?」で、「一緒にがんばる意向」も伝えます。
また「1日何分やったら宿題が終わりそう?」「60分集中と30分2回ならどっちがいい?」など、必要に応じて子供に決めさせます。
こういった問いかけを重ねて「自分で決めた勉強時間と方法」を獲得させます。「自分で」が大切です。