一通の葉書が吉田司さんのもとに届いた。差出人は、知り合いの派遣労働者。彼は日本政府の政策がワーキングプアをつくり出していると訴えていた。

「しかし」と吉田さんは説く。

よしだ・つかさ●1945年生まれ。早稲田大学在学中に映画監督・小川紳介とともに小川プロを結成。『三里塚の夏』などを製作。70年から熊本県水俣市に住み、胎児性の水俣病患者らと「若衆宿」を組織。その体験をまとめた『下下戦記』で、88年大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。
吉田 司●よしだ・つかさ 1945年生まれ。早稲田大学在学中に映画監督・小川紳介とともに小川プロを結成。『三里塚の夏』などを製作。70年から熊本県水俣市に住み、胎児性の水俣病患者らと「若衆宿」を組織。その体験をまとめた『下下戦記』で、88年大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。

「弱肉強食の新自由主義経済のなかで、彼らは世界労働者なんです。日本を超えて世界経済と繋がっている。正社員じゃない彼らこそが、日本と世界――ふたつの大地に立っている。その視点を持っていないと、グローバリズムと渡りあえない。なぜ差別や貧困、テロはなくならないのか。まずは現代世界の“源流”を探らなければ」

(永井 浩=撮影)