10年程前から、社内外のより多くの人たちと仕事をするようになって、自分の時間が自分1人だけのものではないことに気付き始めました。

すると、持続性が大切であるビジネスのうえでは、自分のパフォーマンスを最高の状態に維持するには、突っ込んでいくだけだと身が持たない。「抜く」ときとのバランスが大事です。

平日の日中は、空白を設けたくともその余裕がないことが多いのですが、週末は2~3時間、何も考えず、メールも見ない時間をつくって、自宅でボーッとしたり、のんびり読書したり、友達と会ったりします。頭の筋肉を休めるイメージですね。ジムに通ってエクササイズするのも、4、5年前から習慣になっています。やり始めると、仕事のことはすべて忘れられます。

“鏡に映った自分の姿を見る”

スケジュール管理に手帳は使っていません。手書きでは、書き写さないと秘書や部下と予定を共有できないからです。30分刻みでスケジュールが入る今の状況では、手帳の1日分の紙面では、スペース的にも足りません。

インテル社長 江田麻季子氏

もっとも、すべてをデジタル化したわけではなく、メモ用の大判の手帳を1冊持ち歩くほか、いろいろな言葉を書き留める手帳を自宅に置いています。これは手に収まる大きさで、白紙に横の罫線が入っているタイプ。装丁がきれいなものを見つけたときに買っておいて、時代やトピックごとに、3、4冊に分類してファイリングします。人と深い会話をしたときなどに、「これは忘れてはいけない」とボールペンで書き留めたり、経営の世界の先輩方からうかがったリーダーシップ論や、自己啓発につながるアドバイスも。直そうと思っている自分の癖についてのメモもあります。

メモ以外にも、たとえばいただいてうれしかった手紙を挟んだり、フォーチュン・クッキー(おみくじ入りクッキー)で得た紙に気に入った言葉が記してあったらそれを貼ったりすることもあります。たとえば「信じた道を行け。そうすれば通ずる」とか「あなたの力で新しい道を切り開け」といった自分に檄を飛ばすような言葉が多いですね。