電話サポートは4倍に

さて、今回お話しを聞いたのは、日本マイクロソフトでWindowsを担当する浅田恭子さん(Windows本部 Windowsコマーシャルグループ シニア エグゼクティブ プロダクトマネージャー)と藤原正三さん(Windows & デバイス本部 Windowsコンシューマーグループ エグゼクティブ プロダクトマネージャー)のお二人。7月29日の無償アップグレード期間終了に向けて、今まさにプロモーション活動に全力をあげているとのこと。全国12カ所の商業施設などを回るWindows 10体験キャラバンはその一例です。

浅田恭子さん(左)と藤原正三さん(右)

また電話サポート窓口の対応人員は、Windows 10リリース時と比べて大幅に増やしています。ITに詳しい方なら、ネット検索すればPCにまつわるトラブルを大抵解決できますが、Windows利用者の習熟度はそれこそ千差万別。ネットは使えるけど、接続の設定は分からない……という人も相当数います。

「無償アップグレードの期限ギリギリになると、駆け込みでお問い合わせが増えることを予想しています。ですので、人員は6月末時点で4倍に増員しました」(藤原さん)

間違いやすいとされる、無償アップグレードの実行画面についてはどうでしょうか? この点について、マイクロソフトは「利用者からの声に基づいて修正を重ねている」という立場をとっており、案内表示も随時変更しています。ただし、アップグレードの実行には規約への明示的な同意(ボタンによるクリック)を必ず求めており、いわゆる“強制的なアップグレード”はないとしています。断言はできませんが、表示をよく読まずに何となくボタンをクリックしてしまった……というケースはあり得るでしょう。

7月1日から順次適用される新・通知画面。アップグレードのキャンセルなどが分かりやすくなった。また、この画面でウインドウの「?」ボタンをクリックしても、アップグレードの予約が行われないようになった(画像はマイクロソフトTechNetブログより引用 https://blogs.technet.microsoft.com/cs3_windows/2016/07/01/w10freeupgrade/

結局、7月1日にはアップグレード画面の案内を再変更するとの発表がなされました。新しい通知画面では、「今すぐアップグレード」ボタンのほかに「日時の変更」「無償アップグレードを辞退する」の表記が加わり、挙動がより分かりやすくなりました。批判の声をマイクロソフト側が全面的に受け入れ、対処した格好です。

とはいえ、間違ってアップグレードしてしまっても、実行から31日間以内であれば、操作によって元のOSへ戻すことができます。「(ウェブサイトでの情報提供に加え)電話サポートにおいても、元のOSへの戻し方についてお答えしています」(藤原さん)