家を買わなければお金を増やせる

さて、消費税率が上がろうと上がるまいと、お金を増やすための方策は簡単だ。収入の2割を「天引き投資」に充てればいい。貯蓄ではなく投資であることがポイントだ。貯蓄してもお金はまったく増えないが、投資なら増えるからだ。

お勧めしたいのは「ドル・コスト平均法」による積み立てだ。毎月2万円なり3万円なりで、ずっと同じ金融商品を買い続ける。値段の高いときは買える量が減り、安いときには増える。投資する商品にもよるが、5年もやっていれば、その間、相場が下がり続けでもしない限り、残高は必ず増えている。投資商品として私自身が気に入っているのは、インデックス型のREITである。

図2 勝間和代さんが勧めるドル・コスト平均法(定額購入法)とは?

天引き投資を続けるには、2割天引きされても生活できる習慣をつけることが大切だ。誰しも若いころは今より安い生活費で暮らせていたはずである。2割を投資に回せば、5カ月ごとに1月分、5年に1年分を投資に回せる。20年なら4年分だ。

ところが持ち家を買うとしたら、多くの人は生活資金ぎりぎりまでローンを組んでしまうため、その「2割」を拠出する余裕がない。先ほど持ち家奨励政策はやめるべきだと述べたが、それは1つには、天引き投資のような利殖の自由がなくなるからなのだ。

勝間和代(かつま・かずよむ)
経済評論家。慶應義塾大学在学中から監査法人に勤め、アーサー・アンダーセン、マッキンゼーなどを経て独立。『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』ほか著書多数。
(構成=久保田正志 撮影=永井 浩)
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