「パパ・ママ」から男女の関係に戻るには?

【塚越】日本では夫婦に子どもができると、お互いに「パパ」「ママ」と呼び合ったりして、何よりもまず「親である」という役割を優先させる傾向があります。その結果、子どもが生まれる前のような男女のパートナーという関係を持続させるのがなかなか難しいという印象があります。子どもができる前の二人に戻るためには、どうしたらいいのでしょうか。

【グレイ】どんな人間関係もうまくやっていくために必要なことは、その関係をよりよくしていくために努力することです。本を読む、セミナーに出る、カウンセリングを受けるなどもその一つでしょう。もっとお金を稼ぐ方法を知りたい人はセミナーに参加したり、新しいコンピューターのソフトを買ったら、マニュアルを読んだりすると思います。現代の人々にとっては、人間関係をうまくやるということはとても難しいことなんです。世界中を見ても、仕事でとても成功している人でも家庭生活はボロボロだったりします。彼らが誠実な人間ではないからというのではありません。どうすればパートナーとよい関係を築けるのかを知らないだけなのです。誰でもそういった継続的な学びをすることなしに、よい関係を維持できると思いこんでしまうのは少し傲慢(ごうまん)に感じます。もったいないことだと思いますよ。パパとママになったとしても、家族の基本の関係である夫婦関係をよくするために、もっと努力する必要があると思います。

塚越悦子(つかごし・えつこ)
ファミリー・リレーションシップ専門コーチ。My Peaceful Family代表。
東京大学文学部卒業。モントレー国際大学院で行政学修士を取得後、国連に就職。2002年にアメリカ人の夫と結婚し渡米。アメリカでライフコーチの資格を取得し、国際結婚カップルの相談を受けてきた。現在は一家で日本に住み、最高のファミリーを作るための婚活サポートやリレーションシップ・コーチングなどを行っている。著書に『国際結婚一年生』(主婦の友社)、訳書に『異性の心を上手に透視する方法』(プレジデント社)がある。ウェブサイト(http://www.mypeacefulfamily.com)で恋愛・結婚・家族をテーマに情報発信をしている。『異性の心を上手に透視する方法』Facebookページ(https://www.facebook.com/iseinokokoro)。
(撮影=石井雄司)