不安型、回避型に人が幸せをつかむためには
すべての人が持っている「人との絆を結ぶ能力」であるアタッチメント(愛着)には、安定型・不安型・回避型の3つがありますが、大人のアタッチメント理論に基づいた科学的な恋愛ストラテジーの本『異性の心を上手に透視する方法』(原題:Attached)の著者・レバイン博士は、この本を主に不安型と回避型の人のために書いたと言っています。
「なぜ『運命の人』との恋は長続きしないのか」(http://president.jp/articles/-/18345)でも説明したように、安定型の人は比較的自己肯定感も高く、自分にぴったりの相手がいつか見つかるだろうと思っているので、恋愛にそれほど悩んではいないからです。パートナーとなった相手に深くコミットすることを恐れていないので、出会うまでに時間がかかったとしても、交際が始まれば素晴らしい関係を築くことができます。
一方、不安型の人は相手と親密な関係を築きたいという欲求がありますが、前回の記事で説明した理由で、回避型の人とカップルになりやすいという傾向があります。回避型の人は、少しでもふたりの間が親密になると、逆に逃げたくなる性質をもっているので、どちらにとっても欲求不満のたまるお付き合いになってしまい、不安型の人は「自分がいけないのだろうか」と悩むことになります。
また、回避型の人の中には、本当は長続きするパートナーを見つけたいのに、なぜか距離をとる言動を繰り返してしまうなど、自分でも理解できない行動に悩む人もいるでしょう。
では、不安型や回避型のアタッチメント・タイプの人はどうすればいいのでしょうか。『異性の心を上手に透視する方法』では、この点についても多くのページを割いて解説しています。
本の中に、世界的なベストセラー『ベスト・パートナーになるために』を書いたジョン・グレイ博士のエピソードが出てきます。グレイ博士の2人目の奥さんであるボニーさんが出産後、新生児の世話で疲れ果てていたとき、あるきっかけで夫婦喧嘩になってしまいました。グレイ博士はいつもの調子で、腹を立ててその場を立ち去ろうとしたのですが、ボニーさんが「あなたを必要としているの」「話を聞いて」と、感情的にならずに自分のニーズを伝えたことをきっかけに、グレイ博士は自分が必要とされていることに気づき、考え方が変わったそうです。