中国市場はブランド品の宝の山

――今後中国以外の地域にも展開していくのでしょうか。

相手次第なので何ともいえませんが、すでに欧州の拠点としてイギリスでも質金融などでは展開しています。さらに今後は中国以外のアジア、例えばタイなどにも事業展開するということも考えられます。

大黒屋が中国市場で事業を展開する。

質屋はお金を貸す、リユースは中古品を買うという違いがあるにしても、お客様から見ると、「お金を借りるか」「売るか」の違いで、いずれにせよ、現金化を望まれる方がくるわけです。私たちはお客様がきたら、「お預かりしますか」「お買い取りしますか」と聞きます。借りることと売ることは延長線上にあるわけなんです。ブランド品の売買を質屋業に付加しているメジャープレーヤーは世界中でうちだけなんです。ブランド品を適切に評価するノウハウがないのと、値付けができないからです。そしてこの仕事は何よりも取り扱う商品のボリュームというものが大切なんです。商いのボリュームが出てこないとビジネスになりません。

――CXBと組むメリットは何ですか。

意思決定にしても行動力にしても、日本と比べて早いんですよ。IT開発しましょうといったら、もうすぐにやっているんです。彼らはオペレーションが弱いんですが、そこは日本人の得意分野。だから我々の得意なものとスピード感のあるCXBが組んだ方が早く海外でも展開できるんじゃないかと思っています。

最初は単独での中国進出も考えていました。小売業は外国企業でもできるのですが、質業は金融業なので外資単独ではダメ。中古品の売買は国内外の企業では税率が違うし、地方の税務当局の許可も取らなければならない。盗品の流通を防ぐため、公安ともパイプを作らなければならない。だから日本人だけではできません。CXBと組んでいれば何でもやってくれる。

さらにこれは結果論ですが、店舗も見つけてくれるし、商品もそろえてくれますから、非常によかったと思っています。CXBのすごいところは「あなたのやりたいことは全部いいなさい」といって全部やってくれる、主役は私たちなのです。ただ利益の半分はもっていかれますがね(笑)。人材は日本から2人を連れて行き、あとは中国人を採用しますが、それもCXBが全部やってくれます。

――中国の市場規模はどのくらいなのですか。

世界のブランドの45%を中国人が持っています。中国で所有しているブランドは3000億人民元(約6兆円)ぐらいです。実際に売買されている中古品が50億人民元(約1000億円)ぐらいです。

こうした事業を中国でやっているのはまだ私たちだけです。競合する企業はまだありません。日本人が所有しているブランドは2000億円から3000億円と言われていますから、約6兆円の市場がある中国はケタが違います。考えてみれば、過去10年間で中国人は世界中からブランド品を買っている。結果的にそうなってしまったんだと思います。そのうち貴金属などは質に入れたり、ネット取引などで1000億円ぐらいが売買されているわけです。そこにブランド品の流通市場を作れば、すごい市場が出来上がると思います。