早過ぎる出世ほど社内政治にやられやすい
本人が気づいていなくても、優秀な人はそれだけで敵をつくることがあります。なぜならライバル心はたいていの場合、下から上への一方通行だから。下の立場の人は上の立場の人をライバルだと思っていますが、上の立場の人はさらに上の立場の人をライバルだと感じます。その結果として、下の立場の人はライバル心を嫉妬心に発展させてしまったりするのです。
そこに悪意がなかったとしても、出世頭の何でもないようなミスが大げさに語られるようになったり、想像を交えた噂話が拡まったりもします。
また、かつての先輩たちも、年下の出世頭には敏感に反応します。並ばれただけでも悔しいのに、もしかすると追い越されるかもしれないと思うと、理屈通りの協力をしてくれないことだってあるでしょう。
これらを総じて、社内政治と言い換えることができます。
一方、平均的なタイミングで課長になったのであれば、こういったややこしい社内政治に巻き込まれにくくなります。また、課長になるまでのタイミングで、他の部署との関係をつくっておく機会がより多くなっています。
そうして出世頭が嫉妬心や悪意のある噂話、先輩からの嫉妬などの社内政治、でちょっとした仕事を進めるにも苦労している頃に、あとから課長になることで人脈と経験を活かして活躍する人が生まれてきます。そういった人が(3)のように、早く部長に昇進することになるのです。
そうして部長にまでなると、簡単に社内政治にはやられなくなります。運も絡んできますが、(3)のタイプは部長に抜擢されたその勢いを維持したままに役員になることも多いようです。実際のところ、日本の有力企業30社の役員380人の分析結果では、役員になっている人は、平均して部長の時期は4年しかないのです。
※本稿は書籍『逆転出世する人の意外な法則』(平康慶浩著)からの抜粋です。