40歳近くも年の離れている者同士が集まり働く会社組織。当然、いつの時代でも世代間の軋轢は起きる。そこで、世代間の価値観のズレを解消すべく、各々の世代のメンタリティーと扱い方を探ってみた。
「新人類世代」目安の年齢:55歳(1960年生まれ)
[世代概要]
1950年代後半から1960年代前半生まれ。団塊の世代、しらけ世代に続く世代。中森明夫、いとうせいこうなどサブカルの旗手たちが生まれた。ウルトラマン世代。
[参考データ]
1960年出生数:1,606,041人
1983年大学卒業人数:369,069人
日経平均(1983年12月終値):9,893円
1983年新入社員のタイプ名:「麻雀牌型」=大きさと形が同じで並べやすいが、中身はわからず。
※新入社員のタイプは日本生産性本部の発表による
新人類の定義は諸説あるが、ここでは1955~65年頃に生まれた世代とする。「団塊の世代」のような政治意識はなく「しらけ世代」のような4畳半フォークソング的情緒もなく、ネアカな80年代に青春を謳歌した。幼少期から人格形成にテレビやマンガの影響を強く受けたオタク第一世代でもある。
「この世代が会社にデビューした頃は、ジャパン・アズ・ナンバーワンなどと言われ、まさに80年代の栄光の時期の初頭。高度成長期は終わっていましたが、多くの会社の中で勝ちパターンが見えていて、そのパターンをいち早く身につけたうえで拡大再生産していくことが企業の中で重視されていた時代です」
大学入試では共通一次試験が始まった世代でもあり、マニュアルに順応しやすい傾向もある。
「もともと団塊の世代などに比べて社会への反発心も少なく、わりと従順で違和感なく社会へデビューした世代。日本企業も絶頂期だったので会社に対する信頼感も強く、愛社精神も持ち合わせています。縦社会にも比較的順応していて、組織の中で図抜けて何かをするというタイプではなく、昔ながらの日本企業によく適応している世代だと思います」