40歳近くも年の離れている者同士が集まり働く会社組織。当然、いつの時代でも世代間の軋轢は起きる。そこで、世代間の価値観のズレを解消すべく、各々の世代のメンタリティーと扱い方を探ってみた。

「ポスト団塊ジュニア世代」目安の年齢:35歳(1980年生まれ)
[世代概要]
1975~86年生まれ。大学進学率が50%を突破する一方、不況は続き、就職は超氷河期。大卒の派遣社員率、フリーター率が高まる。スポーツ界ではいわゆる「松坂世代」。
[参考データ]
1980年出生数:1,576,889人
2003年大学卒業人数:544,894人
日経平均(2003年12月終値):10,417円
2003年新入社員のタイプ名:「カメラ付きケータイ型」=その場で瞬時に情報を取り込み発信するセンスや処理能力を持ち、機能も豊富だが、経験や知識がなかなか蓄積されない。また中高年者にとって使いこなしきれない側面もある。

※新入社員のタイプは日本生産性本部の発表による

団塊ジュニアの次の世代という呼ばれ方しかされていない「ポスト団塊ジュニア世代」。呼称からは特徴がイメージしにくいが、女子はコギャル文化の中心だった世代だと考えればわかりやすい。十代の頃に小室ファミリー、アムラー、日サロ、プリクラ、エヴァンゲリオン、ストリートダンスなど90年代若者文化にハマった世代である。ファッション的にはヤンキースタイルがこの世代から完全に消滅した。

「この世代から大きく異なるのが大学進学率です。団塊ジュニアまでは30%程度で推移していたのですが、ポスト団塊ジュニア世代から急激に高まり50%に近づきます。かつては高卒や専門学校へ行ったような学生も大学へ行く時代になり、大卒といっても多様な存在になりました」

今どきの若者はわからないということは新人類世代もバブル世代も言われたことだが、ポスト団塊ジュニアと先行世代とのギャップはそれ以上に大きい。

「2000年代の初頭あたりから、新しい世代とのコミュニケーションがうまくいかないという問題が企業の現場で言われるようになりました。どうマネジメントしていいかわからないという、それまでとは違う課題意識です。そもそもなんで働くの? といった当たり前のところで疑問が出てきてしまう」