地方分権=道州制実現のために、憲法「8章」の改正を!

そういう意味で、これまで憲法改正と言えば憲法9条改正と考えられてきましたが、そうではない。今、日本においてどうしても改正しなければ不都合が是正されない憲法事実を裏付けとする憲法改正が必要だ。その改憲ポイントとしては既に述べた憲法裁判所や教育の無償化、そして僕は最も重要なものとして地方自治・道州制を考えています。この8年間の政治家時代に、「今、日本がやらなければならいことは、憲法を改正して、国の統治機構を変えることだ。経済成長や財政再建にも統治機構改革が必要だ」と確信しました。憲法「9条」ではなく憲法「8章」の改正です。

地方分権が叫ばれて久しい。しかし一向に地方分権が進まず、相変わらず中央集権体制のまま。このことが日本の経済成長や財政再建を阻んでいる。そして日本の自称インテリたちは、地方分権を叫ぶだけ。なぜ日本において地方分権が進まないのかの原因を誰も考えない。

それは単純なこと。日本国憲法こそが中央集権体制を前提にしているからです。中央集権体制こそが憲法に則り、地方分権はある意味、憲法の趣旨に反することになってしまうのが現行憲法なんです。だからこれまで多くの地方の政治家などが地方分権に挑戦してきたけど、ことごとく失敗した。

当たり前です。憲法に反するようなことは負けますよ。このことに気付いた地方の政治家や自称インテリは皆無ですね。僕はこの8年間、地方分権の挑戦を実際にやってきてそのことに気付いた。実際の大阪都構想の実現運動と共に、憲法改正によって地方分権を実現してやろうと考えたのです。

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.8(5月24日配信)の一部です。

(撮影=市来朋久)
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