日本人は慎重で「ある程度の余裕資金ができてから始めよう」と思うからか、なかなか投資に踏み切れない。2014年10~12月期の家計における金融資産の構成は「現金・預金」が52.5%、「保険・年金準備金」が26.4%であるのに対し、「株式・出資金」と「投資信託」は合わせて15%ほどだ(日本銀行調べ)。

「ボクは投資っていうのは収入が少ないときには少ないなりに、多くなったら多いなりにやるものだと思ってる。そうやって常に自分のお金を相場に置いておくことで、経済のことを本気で勉強するし、知識や経験も増えていく。大きな資金ができてからいきなり投資をスタートすると、失敗したときのダメージも大きくなるでしょ!?」

マネーは世界を巡り、投資はパズルに似る

子どもの頃から父の英才教育で生きた経済を学び、大学で経済学を修め、社会人になってからずっと株や為替に投資を続けているというボビー氏が長年培った「相場観」は独特だ。

「ボクは世界を4つのブロック(米国・欧州・日本・新興国)に分けて、投資マネーがこれからどこに向かおうとしているのかっていうのを見てるんデス。投資マネーはいつも世界のどこかにあって、より強いところに向かおうと行き先を探してる。それを追いかけるんじゃなく、先回りして仕込むのが、投資の醍醐味じゃないかなァ」

例えば昨年夏までは欧州がギリシャ問題で混乱する一方、米国経済は強かったので、投資マネーは欧州から米国へ流れた。ところが秋に入ると米国は量的緩和の終了が示唆され、かたや日本では消費増税の先送りが決まった。すると投資マネーが米国から日本へ向かい、そのまま日本株買いの流れになった。

「そうやって投資マネーは世界をぐるぐる回ってる。価格が上がりすぎたモノは売られるし、下がりすぎたモノは買われる。余っているモノは安くなるし、足りないモノは高くなる。マーケットにはいつもどこかに歪みがあって、そこにエネルギーが溜まっていく。それが一気に爆発すると……Boom! 大きなチャンスになるんデスヨ!」

政治経済のニュースをチェック。米国・欧州・日本・新興国で経済が強いのはどこか、どの商品(株・通貨)が買われるかを予測する。新興国は豪州、中国、アフリカで資源価格とも関係する。どこにも向かえないときはGOLDが買われる。