難題「早起き」の解も簡単に見つかる?
技術2:原因と結果を見抜く
全ての結果は、何らかの原因からもたらされています。その原因は何か。さらにその原因の原因は何かとさかのぼって考えていくことで、複雑に絡み合った事象がほどけて、因果関係が次第に見えてきます。
たとえば、Aさんのように早起きがなかなかできないという場合。毎年、多くの早起き習慣に関するコンサルティングをしてきたことで分かってきたのが、早く起きるためには、早く寝なければならないということ。ごく当たり前のことですが、これが極めて大事なのです。できそうでできないのです。
では、早く寝るためにはどうしたらいいか。帰宅後に夜更かしするのをやめ、お付き合いの飲み会などを制限する必要があります。さらに、残業を減らし19時には会社を退社する習慣が必要……という具合です。早起きするには、案外、複雑な因果関係が絡んでいたのです。
複雑な因果関係は、何に対処するが重要です。どこに対策を打つか。課題の最重要項目である「センターピン」を発見できれば、少ない労力で大きな結果が出せます。センターさえ見つければ、周辺の非センターの不安要素には目をつぶることもできるかもしれません。
技術3:自分がコントロールできるか案件かできない案件かを区別する
そもそも自分がコントロールできない案件に関して悩んでも解決の糸口は見えてきません。無力感が高まるだけです。
代表例は、「部下が育たない」といったケースです。部下を今すぐに「できる人」に成長させることはほぼ不可能です。誰にもできません。成長するか否かは、上司の問題というより、部下本人の資質の問題という点が大きいのです。上司ができることは、部下がより成長するための自分のアプローチ方法です。
マニュアルづくりやテンプレート・ルールなど「仕組み」づくりで部下の成果をカバーをすることも可能でしょう。このように「自分にできること」に焦点を合わせ、できないことと区別することが重要です。
できないことに関しては、上司と言えどもへんに背負わないで、割り切ることが、心の不安やモヤモヤを増させないコツでしょう。