英語嫌いになる悲劇があってはならない

【三宅】イーオンには、いろいろな生徒さんが来ています。誰しも、話すことが重要で、聞くことも大切であるのはわかっているのです。だけど、日常で話すという場面はあまりない。毎日、海外とメールのやり取りをしていれば、書いたり読んだりする機会は多いでしょう。しかし、話す機会となると極端に減ります。

【向後】そうですね。コミュニケーション能力を高めるというねらいからすれば、4つの技能をバランス良く、総合的にというのは、まさにおっしゃった通りで、話すコンテンツがないと、消化不良を起こして終わってしまうんです。

【三宅】その意味で、小学校5、6年からの教科化ですが、どうすれば、3年生からの学習効果を、そこにつなげていけるとお考えですか。

『対談! 日本の英語教育が変わる日』三宅義和著 プレジデント社

【向後】面白い調査結果が1つあります。中学校1年生を対象に「小学校の外国語活動でもっと学習しておきたかったこと」を聞いています。平成26年度の調査では、83.7%が「英単語を書くこと」、80.9%が「英語の文を書くこと」、80.1%が「英単語を読むこと」、そして、79.8%が「英語の文を読むこと」と回答しているのです。

先ほど、外国語活動の成果が出てきたと申し上げましたが、この結果を見て、小学校と中学校での学習の接続がうまくいってないのではないかと感じました。つまり、中学校で英語を読んだり書いたりすることが入った時点でうまくいかなくなり、外国語活動で英語は楽しいと思ってきたのに、中学校での読み書きが原因で英語から離れていってしまうのではないかと。

そこで、これまでの成果を生かして、コミュニケーション能力の素地を小学校中学年で養い、その上で5、6年は教科化して、中学校におけるカリキュラムとの接続、連続性を重視して体系的に指導していくことが重要になると思います。

【三宅】子どもたちは英語が少しでも理解できるようになると、もっと書きたいとか、読みたいとか、そういう気持ちがすごく強くなります。そうした知的好奇心を、5年生、6年生になれば、どんどん伸ばしていけばいいと思うのですが。

【向後】まったく、その通りですね。その際、気をつけなければならないのは、中学校でやっていた内容をポーンと小学校5、6年に下ろしてくるだけだと、そこで、現在の中学校1年生が直面しているのと同じ現象が起きてしまいかねません。

小学校高学年や中学校1年の時点で、すでに英語が嫌いになってしまっているという悲劇は、絶対にあってはならないと考えます。小学校での学びをベースに中学校でモチベーションを上げることができれば、中学校での英語学習も画期的に改革できるはずです。