10.【電話・メール】自分からかけた電話の切り方

Q. お客さまにかけた電話。話が終わると、どちらから切ったらいいのかわからない、微妙な沈黙になってしまった。

【×】相手が切るのを待つ
【○】「それでは失礼します」と言って切る

A. かけた側から切るのがルール。受話器を置くのは、挨拶の後、しばらく待ってから。フックを押すとガシャンと響きません。余韻を大切にするのが日本の文化。「クロージングはゆっくり」と心がけましょう。(伊東)

11.【電話・メール】なかなか切ってもらえないとき

Q. 用件は済んだのに、話好きなお客さまがなかなか電話を切ってくれない。どうやって切り上げよう?

【×】今、立て込んでいまして……そろそろいいですか?
【○】今から打ち合わせがありますので、そろそろ失礼します

A. この後、はっきりした予定があると、相手は受け入れやすい。ただし漠然と用事があることを伝えるのは好ましくありません。この電話は大事な用事に入らないのか?と悪くとられる可能性があるからです。(榎本)

12.【電話・メール】メールの返信を催促したいとき

Q. メールを送ったにもかかわらず、先方から何日も反応がない。締め切りも近づいているので返信を促したい……。

【×】例の件、もう締め切りです。返事はまだですか?
【○】例の件を決めたく思っています。そろそろお知らせいただけますか?

A. 返信してない側は悪いと思っています。でもせっつかれると、不快になるだけ。責めるような言い回しを抑えて、改めて聞き直しましょう。申し訳ない気持ちが残り、借りをつくったような心境に導けます。(榎本)

マナーのプロ 伊東絹子
パソナグループのキャプランが展開する人材研修サービス「Jプレゼンスアカデミー」のインストラクター。企業、官公庁をはじめ年間200以上の研修・講演を担当する。
 
心理学博士 榎本博明
東京大学教育心理学科卒業。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。大阪大学大学院助教授等を経て、MP人間科学研究所代表。『「上から目線」の構造』など著書多数。
(鈴木 工=構成 澁谷高晴=撮影)
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