数々の修羅場をくぐり抜けてきた名経営者たち。自らの生き様を語った言葉から、これからの人生の指針を打ち立てるヒントを得る。

すべてを受け入れる素直さが肝心

パナソニック(旧・松下電器産業)を一代で築き上げた松下幸之助は、多くの言葉を残した。ランキングは松下政経塾で講話したなかから選んだもの(図を参照)。第1位の「素直」とは、与えられた条件や環境を、すべて受け入れるという意味。そのたとえでよく使ったのが、第3位の「秀吉」である。

松下幸之助が「松下政経塾の塾生に発した言葉」ランキング

幸之助の考え方は自らの体験、数々の苦難を乗り越えてきた経験に裏打ちされたものだから、その言葉には重みがある。たとえば終戦直後、松下電器は2億円を超える借金を抱え経営危機に陥るが、幸之助は次のように社員を激励している。

「人間は死に直面して初めてその苦しさから真理をつかみ、生への悟りを拓くものと聞いている。(中略)窮するのあまり、物に心を奪われてはならない。常に至誠に立ち、物にとらわれない精神をもって押し進むべきである」