オンラインヘルスケアサービス「ダイエット家庭教師」を提供するFiNC(フィンク)。異色の経歴を持つ溝口社長への注目度は高く、全日空や第一生命、三菱地所などいくつかの大企業が同社への出資を決めている。(対談:溝口勇児×田原総一朗)
“食べてやせる60日間”というキャッチコピーで、個人向けオンラインヘルスケアサービス「ダイエット家庭教師」や、企業向けサービス「FiNCプラス」を提供するFiNC(フィンク)。近年、こうした「スマホで食事写真を撮って送る」サービスは急増しているが、その中でもダイエット家庭教師は、遺伝子検査を組み合わせた事前チェックや、専門家によるきめ細やかなアドバイスなどのポイントで、他と差別化を図っている。
同社を率いるのが、スポーツクラブでプロのトレーナー経験のある溝口勇児社長だ。1984年生まれの32歳。元みずほ銀行常務の乗松文夫氏、ゴールドマン・サックス証券役員の小泉泰郎氏らを副社長に迎えたFiNCは注目度も高く、全日空や第一生命、三菱地所などいくつかの大企業が同社への出資を決めている。「Wellness&Beautyの新しい世界を作りたい」と夢を語る溝口勇児氏と、田原総一朗氏との対談。完全版を掲載します。
「モバイルヘルスケア」とは何か
【田原総一朗氏(以下、田原)】FiNCはモバイルヘルスケアの会社ですね。具体的にはどのようなサービスをやっているのですか。
【溝口勇児氏(以下、溝口)】まず個人向けでは「FiNCダイエット家庭教師」というサービスを提供しています。専用のアプリケーションを使って、やせたいとか健康になりたいというユーザーと、トレーナーや栄養士など、その道の指導の専門家をマッチング。アプリケーション上で毎日、家庭教師のように指導を受けられるというサービスです。
【田原】減量指導はスポーツジムでも行われています。そのスマホ版ということですか。
【溝口】そうです。私は起業前、スポーツクラブの経営に携わっていました。スポーツクラブは、みなさんに健康を届けるのに効果的な手段の1つです。ただ、対面式は場所と時間の制約があって、トレーナー1人が見ることができる人数は50人が限界でした。制約を超えて多くの人に健康になってもらうには、非対面という選択肢があっていい。そう考えていたころにスマホの普及が重なって、やるならこれだと。