また、受講者は研修がはじまる前に、自身の強みや弱みを分析し、所属部門の部長と「自己鍛錬計画書」を作成する。この計画書を基に、1年の活動を通してアドバイザーがフィードバックを行うのだ。

頻繁に他部署のメンバーが集まって顔を合わせるうち、職場をまたいだメンバー同士のつながりもでき、組織内に縦横のネットワークができるのも、この研修の副次的効果といえるだろう。

主に40歳前後の課長級のマネジメント力を高めることを目的としたこの「幹プロ」だが、もう一つ裏の目的が部長級昇格者へのマネジメント研修だ。つまり、部長級昇格者にとっては、「幹プロ」の講師として「教えること」自体が、マネジメント研修となっているというわけだ。

アドバイザーに任じられた部長級昇格者たちは、「幹プロ」の講師を務めるにあたり、研修に参加して「教え方を学ぶ」。冒頭で紹介した研修はこの「新任部長向け研修」の模様だ。今回はこの研修に潜入する。

(文中敬称略)

(的野弘路=撮影)
【関連記事】
なぜトヨタでは課長研修で"志"を問うのか
トヨタ式「仕事」を4分類してムダ取り!
あなたはサーバント・リーダーか、支配型リーダーか?
グーグルに社員が講師の講座があるワケ
無気力部下を磨き上げる「経験学習モデル」