異動に不満をこぼす「3割増し」の原則
3月は人事の季節。花形部署への異動が決まって喜ぶ人もいれば、希望がかなわず落ち込む人もいるだろう。「低い役職や地位に落とされる」という意味で、「左遷」という言葉も使われる。しかし、これは不思議な言葉だ。私は著書『左遷論』(中公新書)で徹底的に考察した。
そのひとつは「社長経験者も左遷されている」という点だ。日本経済新聞の朝刊には「私の課長時代」という人気連載がある。過去の記事が『それでも社長になりました!』『同2』として書籍化されており、2冊で計77人の企業トップが登場している。この2冊で「左遷」の登場を調べてみると、文言が直接使われていたのは2カ所だけだったが、数人が「窓際部署」に「飛ばされた」といった不本意な人事を受けた経験を述べている。
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