損失が出ると始めてもあだになる?

利益が非課税になるメリットは大きい。しかし、認識したいのは、それはあくまでも、「利益が生じた場合のメリット」であることだ。

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言うまでもないが、投資では株価の値下がりなどで損する可能性もある。利益が生じなければ税金もかからないので、非課税のメリットはない。

それだけならいいが、よく知っておきたいのが、NISA口座での売買では「損益通算ができない」ことである。

一般の証券口座で行った取引であれば、株式などの売買で損が生じた場合、損益通算をすることができる。

たとえば、ニトリHDの株を売って10万円の利益を得たものの、同じ年に、大塚家具の株で30万円の損失が出たとしよう。その場合、ニトリ株の利益10万円と大塚家具株の損失30万円を損益通算でき、ニトリ株の利益は非課税になる。確定申告を行えば、損失は翌年から最長3年にわたって繰り越して控除することもできる。

しかし、NISA口座で生じた損失については、損益通算の対象外。損が出た場合は、ほかの利益にかかる税負担をカバーするという役割を果たすことができない。

そんなリスクがあるなら一般の証券口座で取引を行ったほうがいい、と思うかもしれないが、そもそも、損することを想定して投資する人はおらず、利益を出そうと思って投資をするのだ。ならば値下がりしない銘柄をしっかり選んで儲ける、ということに力を注ぐ以外ない。