新法施行で今後は逮捕者続出か

別れた元恋人や元配偶者に嫌がらせをするために、過去に撮影した性的な写真や動画をインターネット上で拡散させる「リベンジポルノ」。一昨年話題になり、その年末には最高で懲役3年の実刑が下される「リベンジポルノ被害防止法」も成立している。これにより、「拡散」とは呼べないLINEに投稿した程度の行為でも、事実上の起訴が可能になったと言える。

実際に、元恋人の顔や裸の写真を実名入りでネットの掲示板に投稿したとして、名誉毀損により10カ月の実刑判決が出たケースがある(14年、名古屋地方裁判所)。別れ話が持ち上がった交際女性に「(性的な)写真をばらまくぞ」と脅した件で、「リベンジポルノ」としては未遂だが逮捕者も出ている。

リベンジポルノという犯罪に関しても、被害者に該当するのは女性だけだと思っていい。もし、女性が元彼の局部写真を嫌がらせにネットにばらまいたとして、世間は深刻な問題だと受け取るだろうか。私が思うに、週刊誌で面白がられるのが関の山だろう。「名誉毀損」として本人が告訴状を出しても、受理されない可能性が高い。司法の世界では、女の裸のほうが圧倒的に価値が高いのだ。仮に、女性の裸の写真をばらまいた際の慰謝料が100万円だとしたら、男性の裸の写真に対しては10万円程度。ゼロがひとつ違うレベルで、男の裸は安い。