早慶戦は慶應同立戦は同志社の勝ち

さらに細かく見ていくと、いくつか「おや」と感じさせるポイントがあった。たとえば、旧帝大や早慶以外で上位に入った、6位の電気通信大学や11位の豊橋技術科学大学、23位の芝浦工業大学など理工系大学の存在だ。

「急に順位を上げる大学は理工系ばかり。特に情報系や建築系学部に強い大学です。近年、IT系業界に限らずIT技術を使う職種は増えていて、需要も高まっています。人材不足により年収が上がる仕組みです」(木下氏)

逆に、文系学部に偏っていたり、女性が多かったりすると、偏差値の割に順位が低いという。女性は出産でキャリアが断たれたり、時短勤務になったりすることもあるからだ。78位のお茶の水女子大学などがその典型だろう。

もうひとつ意外だったのは、関東・関西を代表する私立大学の差である。5位の慶應義塾大学と12位の早稲田大学では、約40万円の差が。同志社大学と立命館大学にいたっては、年収約45万円の差に加え、順位も50位近く引き離された。偏差値も近い2校に、なぜこんな差が生まれたのか。

「立命館の順位が低く、年収も低めなのは、近年新設学部が多いせい。卒業生の平均年齢が若く、それによって平均年収も下がっているんです。慶應と早稲田は学部構成にも偏差値にもほとんど差がないので謎ですね」(同)

ただ、慶應SFC卒業生の活躍を耳にする機会は多いという。そのあたりが差の理由か。

成績上位校は安定して年収が高く、情報系や建築系学部は引く手数多。将来的なことを考えれば、子どもにはそのどちらかを選択させると安心だろう。ただし、木下氏も言うように、転職の際は実績重視。学歴はほとんど関係ない。すでに社会に出ている我々は、今いる場所で結果を出す以外、年収を上げる道はなさそうだ。

【調査概要】対象者:2013年10月~2014年9月末に、DODA転職支援サービスに登録したホワイトカラー系職種の男女/雇用形態:正社員/総サンプル数:約16万件/平均年齢:33.04歳/※大学院大学は含みません。1千円未満は四捨五入。